19 mars 2013
太陽を探して
リールを始めとする北フランスは、「冬の間中はずっと曇っていて、雨と雪ばかり」という悪評があります。
確かにその通り、一週間のうちのほとんどが曇天です。
しかし、一口に曇り空といっても実に色々なバリエショーンがります。
意外や意外にも、雲が薄くて太陽の光がうっすら透けている曇り空の日が多くあります。
そんな時の空は白っぽくて明るいので、みなが想像するような心もどんより塞ぐ鉛色、とは勝手が違います。
そして、もちろん、わずかですが、太陽が顔を出し、青く澄み切った空が顔を出す時もあります。
そんな時はみな、「ああ、太陽が出てるね」と口に出したりします。
ここ、北部の人は太陽にとても敏感です。
オフィスや路面電車の窓辺から、ふと日の光が差し込むと「ああ、太陽」と言って、束の間の日射しを享受します。
そして別のところからやって来た雲に姿を隠されてしまうと、「ああ、行っちゃったね」と残念そうに見送ります。
「今朝、子供を送りに学校の前にいたわ。その時の太陽が、それはもう素晴らしかったわ」
そんな風に朝、職場の人達と話したりします。
私が以前南仏にいたというと、みながみな口を揃えて、「ああ、あそこには太陽があるね」と言います。
だけどみな、心の底では南仏の太陽のことを、そこまで羨んでいないように思います。
ここにも太陽があり、北は北なりの楽しみ方があるのだから。
Publicité
Publicité
Commentaires